マタニティ専門鍼灸院 銀のすずは
妊娠初期から産後の方を専門でサポートしています。

妊娠による糖代謝の変化


妊娠中は胎児の発育を支えるため、母体の糖代謝が大きく変化し、時期によって特徴が異なります。

妊娠前期・中期(妊娠20週頃まで)
インスリン感受性の亢進:妊娠初期はエストロゲン・プロゲステロンの影響でインスリン感受性がやや高まり、母体は脂肪やグリコーゲンを蓄積しやすい「同化」状態になります。
空腹時血糖の低下:胎児への糖の取り込みが増えることや、肝での糖新生が相対的に抑制されることから、空腹時血糖値は非妊娠時よりやや低下する傾向があります。
悪阻(つわり)の影響:嘔気・嘔吐により摂取エネルギーが不安定になることも血糖変動に関与します。

妊娠後期(妊娠24週以降)
インスリン抵抗性の増大:胎盤から分泌されるヒト胎盤性ラクトゲン(hPL)、プロゲステロン、コルチゾール、プロラクチン、胎盤性成長ホルモンなどの「抗インスリンホルモン」が増加し、末梢組織(骨格筋・脂肪組織)でのインスリン感受性が著明に低下します。
「異化」状態への移行:母体はインスリン抵抗性が強まることで、母体自身は脂肪をエネルギー源として利用しやすくなり(脂肪分解亢進、遊離脂肪酸・ケトン体の上昇)、糖は優先的に胎児へ供給されるようになります。これは「加速絶食」と呼ばれる現象です。
食後高血糖・インスリン分泌の代償的増加:健康な妊婦では膵β細胞の代償性肥大・機能亢進によりインスリン分泌量が増加し(非妊娠時の2から3倍程度)、血糖値を正常範囲に保とうとします。
代償が追いつかない場合:β細胞の代償能力を超えると、妊娠糖尿病(GDM)を発症します。
妊娠中期以降にブドウ糖負荷試験でスクリーニングが行われるのはこのためです。

さて、このように妊娠すると血糖値が上がりやすい状態になります。
この状態でお菓子やジュースなどを摂取すると高血糖が続き、膵臓は疲れて、インスリン分泌をしなくなってしまいます。
インスリンが分泌されないと、血管の中が高血糖状態となり、糖尿病となります。

私たちの血糖値はいつも血液1dl中に100㎎程度にコントロールされています。
私たちの血液量が4リットル(40dl)だとすると4000mg、4gのブドウ糖が血液中に溶けていることになります。
いつも血糖値が100㎎/dl(4g)に維持するために、インスリンもまた常に分泌されています。
ブドウ糖が増えていなくてもすい臓はインスリンを出しています。

角砂糖1個が3g。 コーヒーや紅茶を飲もうと2個も入れたら、6g。
いつも4gのブドウ糖が、プラス6gも入ってきたら、すい臓の仕事量は急激に増えることは容易に想像つきます。

高血糖状態でなければ、インスリンは過剰分泌されず、すい臓は疲れることもありません。
妊娠中はただでさえ、いつもより血糖が高い状態ですので、すい臓もいつもより疲れているでしょう。
結果、妊娠糖尿病を引き起こす可能性が高くなるのは明白です。

妊娠中は糖分を控えめに摂ると良いですね。

銀のすず